フリーランス歯科衛生士の働き方とは?失敗しないために身につけておきたいスキルも徹底解説!

フリーランス歯科衛生士の働き方とは
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特定の歯科医院に属さず、様々な形で歯科業界の仕事に携わる「フリーランス歯科衛生士」。自由に働けるという大きな魅力がある一方、スキルを持ち合わせていないと良い仕事に恵まれないリスクもあります。

フリーランス歯科衛生士として活躍するにはどのような心構えが必要なのか、そのポイントについて詳しく解説します!

この記事を書いた人
あやか

d latte編集部 あやか

歯科衛生士歴6年。大学病院の歯周病科で専門性を磨いた後、現在は歯周病治療に特化したクリニックで勤務。歯周病予防の啓発活動にも積極的に参加し、地域の健康教室での講演経験も豊富。エビデンスに基づいた最新の治療法や予防法について、分かりやすく情報発信することを大切にしている。

Contents

そもそもフリーランス歯科衛生士とは?

  • 特定の歯科医院や企業などに所属していない
  • 働いた分だけ収入になる
  • 臨床業務以外にも幅広い仕事がある
  • 自分で仕事を生み出せる

フリーランスの歯科衛生士とは、決まった歯科医院や企業などに所属せずに働く、いわば個人事業主です。常勤のように固定給ではなく、福利厚生もありませんが、スキルを活かして様々な仕事をこなせば、より高い収入を得られるメリットがあります。

また、パートなどの非常勤と違うのは、自分から給与や労働条件などの交渉ができることです。歯科医院が提示する条件に合わせて働くのではなく、仕事内容や勤務時間などを自分で管理できるのがフリーランスの強みです。

あやか

自分のライフスタイルに合わせて働き方を選択できるのは、現代の歯科衛生士にとって素晴らしい選択肢ですね。経験とスキルを活かして主体的にキャリアを築けるのは、とてもやりがいのある働き方だと思います。

フリーランス歯科衛生士の働き方の選択肢は幅広い!

1. DH業務を中心としたスポット勤務(業務委託)

フリーランスとして臨床業務を続ける場合は、業務内容・日時・報酬などを交渉して業務委託契約を結ぶのが一般的です。

歯科衛生士の仕事は歯科医院はもちろん、病院・介護施設・企業など、様々な場所で必要とされます。そのため、フリーランスになれば複数の施設や企業と業務委託を結ぶことも可能です。

例えば、歯科医院ではクリーニング、介護施設では口腔ケア、企業では健診といったように、複数のスポット勤務を組み合わせることもできます。

あやか

歯科衛生士の専門性が様々な場面で求められているからこそ実現できる働き方ですね。一つの職場では経験できない多様な現場に関われるのは、専門スキルの幅を広げる絶好の機会にもなりそうです。

2. 歯科衛生士のキャリア支援・コーチング

様々な現場を経験しているフリーランス歯科衛生士は、キャリアアップを目指す歯科衛生士のサポート役に最適です。

理想の働き方を実現するための転職支援、人材育成や職場環境の改善等を目的としたコーチング(対話式マネジメント)など、経験豊富なフリーランスだからこそできるサポートは多岐にわたります。また、多くの歯科衛生士と接することで、フリーランスとしての実績が高まるというメリットもあります。

あやか

同じ歯科衛生士だからこそ伝えられる経験値は、何よりも価値のあるサポートですね。

3. 歯科医院のコンサルティングや教育サポート

常勤の歯科衛生士しかいない歯科医院では、業務に追われて若手の育成やスタッフ間のコミュニケーションなどが後回しになりがちです。このような課題を専門に請け負えるのも、フリーランス歯科衛生士の強みだと言えます。

若手育成のための研修や技術指導、患者さんの満足度を高めるための意識改革など、歯科医師や常勤の歯科衛生士だけでは担いきれない部分も、フリーランスならじっくり時間をかけて取り組むことが可能です。

あやか

現場の課題を客観的に見つめ、解決に導く役割は非常に意義深いですね。忙しい日常では見落としがちな部分にじっくり向き合えるのも魅力的です。

4. 歯科セミナー・講師活動

自分の知識や経験を伝えるために、自らセミナーを開催したり、講師の仕事を依頼されるフリーランス歯科衛生士もいます。セミナーのテーマやジャンルは多彩で、歯科業界を対象としたものだけでなく、医療・介護・子育てなど様々です。

また、セミナーは新たな人脈を広げたり、別の仕事につながるチャンスにもなります。最近はオンラインセミナーも増えているので、子育て中や地方在住などのフリーランスも活躍できます。

あやか

自分の経験が多くの人の学びに繋がるのは、とてもやりがいを感じられそうです。オンラインなら場所を選ばず、より多くの方に知識を届けられますね。

5. 訪問歯科の専門衛生士

介護において大切な役割として必要とされているのが、訪問歯科を専門とする歯科衛生士です。フリーランスの歯科衛生士は複数の歯科医院と業務委託を結んで働けるため、柔軟な働き手として評価されています。

フリーランスの訪問歯科は、交渉次第で常勤の歯科衛生士より多くの収入を得られるメリットがあります。また、一般歯科とは異なるスキルが身につくため、フリーランスとしての大きな武器にもなります。

あやか

超高齢社会において本当に必要とされている専門分野ですね。新しいスキルを身につけることで、フリーランスとしての価値も高まりそうです。

6. 歯科関連企業・スタートアップへのジョイン(商品開発・監修)

ドラッグストアで買えるオーラルケア製品から、歯科医院で使用する高度な治療機器まで、歯科関連の製品を手がける企業はかなりの数に上ります。このような企業の新たな商品開発や新規事業の立ち上げなどに、歯科衛生士の知識・技術が役立てられていることがあります。

多くの患者さんに接しているフリーランス歯科衛生士は、患者さんの様々な悩みやニーズにも精通しています。そこからヒントを得て新商品や新サービスを構想し、自ら企業にプレゼンするのも一つの方法です。

あやか

現場で培った経験と知識が、商品開発という形で社会に還元されるのは素晴らしいですね。患者様の声を直接聞いているからこそ、本当に必要な製品を提案できそうです。

7. WEBライター・記事監修

文章を書くのが好きという歯科衛生士の方には、ライター業もおすすめです。歯科に関する情報はネット上に数えきれないほどありますが、その中で記事の信頼性が増すのは、歯科医師や歯科衛生士が執筆や監修を行った記事です。

ライターの仕事はクラウドソーシングや各メディアなどで募集しています。また、歯科医院でブログの書き手を探していることもあります。ライター業はすき間時間に在宅で進められる案件が多いため、他の仕事と掛け持ちすることも可能です。

あやか

専門知識を活かした記事は読者の信頼も厚く、やりがいを感じられそうです。在宅でできるのも、他の業務との両立には嬉しいポイントです。

8. SNS・ブログ・YouTubeなど情報発信での収益化

歯科衛生士だからこそ知っている有益な情報を上手に発信すれば、それが収益につながることもあります。気軽に始められるのはアフィリエイトです。例えば、SNSやブログでおすすめのオーラルケア商品などを紹介すると、商品が売れた際に報酬を得られます。

一方、口腔ケアのコツなど、映像の方が伝わりやすい場合は、YouTubeを利用するのもよいでしょう。YouTubeは安定した収益になるまでにかなりの再生数が必要ですが、自分自身の宣伝になり、新たな仕事に結びつくチャンスがあります。

あやか

日常の経験や知識を情報発信という形で届けられるのは魅力的ですね。収益だけでなく、新しい仕事の入り口にもなる可能性があるのも面白そうです。

フリーランス歯科衛生士として身につけておきたいスキル

1. 基本的な歯科衛生士スキル(臨床力)

歯科医院と業務委託を結んで仕事を続ける場合、臨床業務の基本的なスキルを身につけていることは必要不可欠です。苦手な業務やスキルアップしたい業務がある場合は、フリーランスになる前に技術を磨いておくとよいでしょう。

また、フリーランスになってからも、研修や講座などに参加して学び直すことは可能です。単発の研修・オンライン講座・スクールなど、いろいろなスタイルがあるので、積極的にチャレンジしてみましょう。

2. コミュニケーション力

フリーランスは自分で仕事を獲得しなければならないため、患者さんから「またケアしてもらいたい」と思われたり、歯科医師や企業の担当者などから「継続して依頼したい」と思ってもらうことが重要です。

そのためには技術力はもちろん、高いコミュニケーション力も必要です。患者さんに対しては細やかな気遣いや分かりやすい説明、クライアントに対してはこまめな連絡や情報の共有など、相手の立場を考えた言動が信頼感を生みます。

3. ビジネスマナー

フリーランスに限ったことではありませんが、歯科衛生士にも一般的なビジネスマナーは必要です。特に仕事のやり取りでよく使うメールや電話は、マナーに注意しないと印象が悪くなってしまいます。

自己紹介・挨拶・お礼などを相手によって使い分ける、用件を分かりやすくまとめるなど、基本的なことでも、できる人とできない人の印象は大きく変わります。マナーが分からない時は事前に検索したり、本を読んで知識を身につけておくとよいでしょう。

4. 時間管理能力(スケジューリング)

フリーランスは仕事の時間も自分で決められるので、うまく時間管理することが大切です。仕事の予定を入れ過ぎてやりきれなくなったり、遅刻が続いたりすると、クライアントからの信頼が損なわれてしまいます。

フリーランスは仕事をすればするほど収入が増えるのがメリットですが、仕事の質を下げないために、あえて過密スケジュールを避けるという働き方もあります。スケジュールにある程度の余裕があれば、急な時間変更などにも柔軟に対応できるはずです。

5. ティーチング・コーチングスキル

ティーチングは「技術や知識を教えること」、コーチングは「対話によって相手の目標を具体化したり、新たな気づきを導き出したりすること」です。どちらも相手への接し方にコツが必要で、コミュニケーション力も大きく影響します。

歯科衛生士の経験を活かして指導役として活躍したいなら、講師育成やコーチングの講座を受講してスキルアップするのもおすすめです。指導力が身に付けば、セミナーやコンサルティングなどの仕事に活かせます。

6. 営業力・プレゼンスキル

仕事を得るには、自分のスキルやアイディアなどをうまく伝える力も必要です。そこでまずは、自分の強みや目標などを明確にしてみましょう。

営業が苦手という人は、まず知り合いの歯科医師や歯科衛生士に声をかけることから始めるのがおすすめです。スポット業務の依頼をもらえたり、人手が必要な歯科医院を紹介してもらえたりするかもしれません。

また、実現したいプロジェクトがあるなら、具体的にまとめておくのもポイントです。チャンスが巡ってきた時にすぐプレゼンできるよう、しっかり準備しておきましょう。

7. PCスキル(資料作成スキル)

セミナーで使う資料や、歯科医院の研修で使う資料など、フリーランス歯科衛生士の仕事にはパソコンで作成した資料が必要になることがよくあります。また、メールでのやり取りは不可欠ですし、場合によっては請求書の発行などが必要なケースもあります。

難しい資料作成は外部に依頼するという方法もありますが、パソコンの基本的な操作はできた方が安心です。パソコンのスキルを磨いておけば、ライターなどの在宅ワークに結びつくチャンスにもなります。

8. 契約などのビジネス知識

フリーランスの雇用形態は「業務委託契約」か「雇用契約」のいずれかになります。業務委託契約は働く時間や報酬などを自分で交渉できますが、個人事業主として仕事をするため、トラブルが起こった際にも自己責任となります。

一方、雇用契約は従業員として雇用される立場になりますが、トラブルの際には雇用主が責任を取るのが一般的です。このような雇用形態の違いを理解しておくと、仕事の内容に応じてリスク管理がしやすくなります。

9. 経営・会計・税務の知識

フリーランスになると収入や税金の仕組みが変わり、確定申告が必要になるケースが一般的です。特に注意が必要なのは、業務委託契約で一定の収入がある人です。所得が48万円を超える人、副業でフリーランスをしていて副業の所得が20万円を超える人などは、確定申告が必要です。

また、正社員なら給与から天引きされる所得税や住民税も、フリーランスの場合は自分で納付します。分からないことは税務署でも相談できるので、早めに対策しておきましょう。

フリーランス歯科衛生士はどうやって仕事を獲得する?

1. 勤務経験のある歯科医院との業務委託

フリーランスになったばかりで営業の仕方が分からない時は、勤務経験がある歯科医院に声をかけてみるという方法があります。

例えば、新人歯科衛生士の指導が得意な人、特別なスキルがある人などは、歯科医院にとって貴重な人材です。スポット業務で専門の仕事を任せてもらえるか、交渉してみるとよいでしょう、勤務経験がある職場なら、フリーランスになりたてでも働きやすいというメリットがあります。

2. 歯科衛生士の知人・友人からの紹介

かつての同僚や学生時代の友人など、今も歯科衛生士として働く仲間にフリーランスになったことを伝えておくのもおすすめです。

歯科衛生士は様々な現場で必要とされる存在です。人手が足りないところも多いので、たくさんの知り合いに声をかければ、何かしらのご縁につながる可能性が高くなります。普段からSNSでつながるなどして、連絡が取りやすい環境を整えておくとよいでしょう。

あやか

同じ職種の仲間だからこそ、お互いの働き方や状況も理解し合えそうですね。日頃からのつながりを大切にしておくことで、思わぬチャンスが巡ってくるものです。

3. 知り合いの歯科医師等からの紹介

知り合いの歯科医師に営業をしておくと、新たな仕事につながりやすくなります。スポット業務で定期的に訪れている歯科医院の院長や、そこで働いている非常勤の歯科医師など、話を聞いてもらえそうな相手がいる時は、積極的に自分のスキルをアピールしてみましょう。

「直接仕事をもらうのは難しそう」という相手でも、決して無駄にはなりません。「知り合いがこんな歯科衛生士を探しているんだけど」といったように、思わぬところで仕事を紹介してもらえる可能性があります。

4. 自身のセミナー開催でのリード獲得

セミナーは準備さえ整えれば、いつでも誰でも開催できる営業に最適な場です。最近はオンラインで開催するウェビナー(Web上のセミナー)も多く、より手軽に参加者とつながれるようになっています。

そして、セミナーの開催によって期待できるのが、顧客になる可能性がある「リード(見込み客)」の獲得です。セミナーの参加者は、そのテーマに興味があって集まった人たちです。そのため、通常の営業よりも成果が表れやすいと言えるのです。

あやか

セミナーなら興味を持って集まってくださった方々と出会えるので、自然な形で信頼関係も築けそうですね。オンライン開催だと、より多くの方にリーチできるのも大きな魅力です。

5. SNSやブログ発信での集客

SNSやブログを利用すれば、自分のスキルやキャリアなどを自由にアピールできます。ポイントはテーマとターゲットを決めることです。

例えば、歯のケアなどの身近な情報を発信してフォロワーを増やせば、Webライターの仕事や企業のタイアップなどのチャンスに恵まれるかもしれません。

一方、専門性の高い情報の発信は、歯科医師や歯科衛生士の目に留まる可能性があります。投稿に「出張セミナーも承ります」といった文言を添えるなど、ちょっとした工夫で営業効果が高まります。

フリーランス歯科衛生士になるメリットとデメリットも知っておこう!

メリット

  • 働く時間や場所を選べる
  • 働いた分だけ収入になる
  • 得意なことを武器にできる
  • 人間関係が広がる

フリーランスの良さは、何と言っても自由度が高いことです。働く時間や場所を選べるのはもちろん、業務内容や報酬に関しても自分で交渉できます。また、得意分野を活かせば、高単価の案件を獲得できる可能性もあります。固定給のように収入に上限がないため、工夫次第で高収入を目指せるのです。

さらに、正社員に比べて人間関係が広がりやすいことも、フリーランスの大きな魅力です。複数の仕事を掛け持ちしたり、自らセミナーの開催や情報発信を行うことで、人とのつながりが増えて新たな仕事に結びつく可能性が高まります。

あやか

自分のペースで働きながら、スキルアップも人脈作りも同時に進められるのは理想的ですね。様々な現場で経験を積むことで、歯科衛生士としての視野も大きく広がりそうです。

デメリット

  • 収入が安定しない
  • 福利厚生がなく、社会保険の保障内容が薄い
  • 自己管理力が必要

フリーランスと正社員の最大の違いは、収入の安定性です。フリーランスは頑張り次第で収入を増やせるのが魅力ですが、毎月の収入が安定しないというデメリットがあります。

また、福利厚生がなく、社会保険の保障も薄くなります。フリーランスが加入できる国民健康保険には傷病手当金や出産手当金がなく、年金は国民年金のみとなるため、受け取れる金額が少なくなります。

そして、スケジュールやお金の管理、PC作業など、フリーランスにはいくつものタスクをこなす自己管理力が必要です。複数の作業を同時に行うのが苦手な人にとっては。デメリットの一つに感じられるでしょう。

あやか

自由度の高さと引き換えに、自分でしっかり管理すべきことも多くなるのが現実ですね。特に保障面は事前にしっかり検討しておく必要がありそうです。

フリーランス歯科衛生士の給与事情!年収はどれぐらいを目指せる?

年収の相場は300~500万円。一方で300万円以下も多い。

フリーランス歯科衛生士の年収の相場は300~500万円です。常勤の歯科衛生士の全国的な平均年収が300~400万円とされているので、同等かやや高い方だと言えるでしょう。

一方、その次に割合として高いのが、年収300万円以下のフリーランスです。仕事が思うように見つからない、育児などで仕事をセーブしているなど、理由は様々ですが、正社員の頃より年収が減ってしまうリスクも覚悟しておく必要がありそうです。

しかし、年収500万円以上のフリーランスもいます。特にセミナーやコンサルティングの仕事は高単価の案件が多いため、臨床業務以外の強みを持っている人は高収入を目指せる可能性が高いと言えます。

まとめ

フリーランス歯科衛生士は自由な働き方が魅力に見える半面、高いスキルや営業力、地道な自己管理など、正社員とは違う努力が必要です。

しかし、頑張り次第で大きく道が開ける可能性があるため、自分のスキルで勝負したい人や、具体的な夢や目標がある人に適した働き方だと言えます。フリーランスに転身したいと思う人は、ぜひ具体的なプランを練ってチャレンジしてみてくださいね!

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