歯科衛生士の就職先7選｜メリット・デメリットから選び方のポイントまで徹底解説！

「就職先がなかなか決まらない…」「どこで働けばいいのかわからない…」 そんな不安を抱えていませんか？

大丈夫です！歯科衛生士の資格は本当に価値のある資格で、実はたくさんの就職先があるんです。

この記事では、歯科衛生士の就職先選びで迷っているあなたに、具体的な選択肢と選び方のポイントをお伝えしますのでぜひ参考にしてみてください！

【データで見る】歯科衛生士の就職先の傾向とは？

就業場所別にみた就業歯科衛生士

就業場所別では、「診療所」が最も多い１３０,８０６人（９０.１％）、「診療所以外」は１４,３７７人（９.９％）でした。前回の結果と比較すると、「診療所以外」の就業者数が１,３７５人増加しており（前回比１１％増）、その中でも「歯科衛生士学校又は養成所」の就業者数が７６２人増（前回比７６％増）と顕著に増加していました。

引用：公益社団法人 日本歯科衛生士会

このデータを見ると、歯科衛生士の約9割が一般の歯科医院・歯科クリニックで働いています。しかし注目すべきは、診療所以外での働き方が着実に増加していることです。

特に教育機関での需要が大幅に伸びているのは、歯科衛生士という職業の価値がより認められている証拠といえます。

歯科衛生士が活躍できる就職先7選！

それでは、歯科衛生士の資格を活かして働ける7つの就職先を詳しく見ていきましょう。

1. 歯科医院・クリニック

クリニックは歯科衛生士にとって最もスタンダードな職場です。患者さんの口腔ケアから予防指導まで、歯科衛生士の専門性を存分に発揮できる環境が整っています。

同じ患者さんと顔を合わせることが多く、その分深い信頼関係を築け、その方の口腔健康の改善を長期的にサポートできるのが大きな魅力です。技術面でも、経験豊富な先輩や歯科医師から直接指導を受けられるため、確実にスキルアップが望めます。

ただし、スキルアップの幅はクリニックの診療科目、方針等によって左右されるため外部の研修やセミナー等を活用する必要があるケースもあります。

2. 総合病院・大学病院

総合病院や大学病院では、口腔外科手術のサポートや特殊な疾患を持つ患者さんのケアなど、一般歯科では経験できない高度な業務に携わることができます。

多職種のスタッフと連携しながら患者さんの治療にあたるため、コミュニケーション能力や幅広い医療知識が身につきます。

また、認定歯科衛生士などの専門資格取得に向けた研修制度も充実しており、将来的に特定分野のエキスパートを目指すことが可能です。

3. 保健所

保健所での勤務では、地域住民への口腔保健指導や健康教育、学校歯科検診などを通じて、幅広い年代の方々の健康づくりをサポートします。

個人の治療よりも予防に重点を置いた活動が中心となり、講演会の企画運営や保健指導資料の作成など、企画力やプレゼンテーション能力も身につきます。公務員としての安定性に加え、地域全体の口腔健康レベル向上という大きなやりがいを感じられる職場です。

4.. 介護・福祉施設

介護・福祉施設では、高齢者や障がいのある方の口腔ケアを通じて、その方らしい生活をサポートします。単なる歯科治療ではなく、食事の楽しみや会話の質向上など、生活の質全体に関わる重要な役割を担います。

介護士や看護師、理学療法士などとチームを組んで利用者を支援するため、幅広い知識と柔軟な対応力が身につきます。超高齢社会において今後ますます需要が高まる分野であり、やりがいと将来性を兼ね備えた職場といえます。

5. 訪問歯科

訪問歯科では、通院が困難な高齢者や障がいのある方のご自宅や施設を訪問し、口腔ケアや治療を提供します。患者さんの生活環境を直接見ることで、その方に最適なケア方法を提案でき、ご家族からも深く感謝される仕事です。

限られた器材と環境の中で最良の結果を出すため、技術力と判断力が求められますが、その分大きな成長とやりがいを得られます。在宅医療のニーズが高まっている今、将来性の高い分野といえます。

6. 歯科関連メーカーなどの企業

歯科関連メーカーでは、歯科材料や機器の営業、製品開発サポート、セミナー講師などの業務に携わります。歯科衛生士としての専門知識を活かしながら、現場の声を製品開発に反映させたり、歯科医院への技術指導を行うなど、業界全体の発展に貢献できる仕事です。

企業勤務ならではの充実した福利厚生や研修制度、キャリアアップの機会が豊富で、歯科衛生士の新しい働き方として注目が高まっています。臨床とは異なる視点で歯科業界に関われる魅力的な選択肢です。

7. 歯科衛生士学校などの教育機関

歯科衛生士学校などの教育機関では、将来の歯科衛生士を育成する重要な役割を担います。講義や実習指導を通じて、学生たちに専門知識と技術を伝え、職業倫理や患者さんへの思いやりの心も育んでいきます。

自分の経験と知識を次世代に継承できる大きなやりがいがあり、学生の成長を見守る喜びは格別です。また、常に最新の歯科医学に触れる機会があるため、自身の知識もアップデートし続けることができます。教育者として社会に貢献したい方には理想的な職場です。

「何を求める？」価値観で考える就職先選びの5つのポイント！

就職先を選ぶ際に大切なのは、自分の価値観や理想とする働き方を明確にすることです。同じ歯科衛生士でも、何を重視するかによって最適な職場は大きく変わります。

ここでは5つの視点から、あなたらしい就職先選びのポイントをご紹介します。

1. 「安定 vs 挑戦」あなたはどちらタイプ？

安定重視	挑戦重視
□ 長期的に同じ職場で働きたい □ 毎月決まった収入があると安心する □ 新しい環境に慣れるのに時間がかかる □ じっくりと技術を磨いていきたい □ 職場の人間関係を大切にしたい □ 福利厚生の充実度を重視する □ 将来の見通しが立つ環境が好き	□ 新しいことを学ぶのが好き □ 変化のある環境でやりがいを感じる □ スキルアップのためなら転職も考える □ 責任のある仕事を任されたい □ 将来独立や起業に興味がある □ 給与アップのチャンスを求めたい □ 多様な経験を積みたい
公務員、大手医療法人がおすすめ	新規開業クリニック、企業などがおすすめ

就職先選びで最初に考えたいのが、安定性と挑戦のバランスです。安定重視の方は、長期的に同じ環境でじっくりとスキルを磨き、確実にキャリアを積み上げたいタイプ。

一方、挑戦重視の方は、新しい環境や業務に積極的に取り組み、変化を楽しみながら成長したいタイプです。どちらも素晴らしい価値観で、正解はありません。大切なのは自分の性格や将来への想いに正直になることです。

2. 「人との距離感」どんな関わり方が好き？

密接な関係派	多様な関係派
□ 一人ひとりとじっくり向き合いたい □ 患者さんの名前や好みを覚えるのが得意 □ 「ありがとう」と言われると心から嬉しい □ 長期的な信頼関係を築くのが好き □ 少人数でアットホームな職場が理想 □ 患者さんの変化や成長を見守りたい □ 相談されることが多い	□ たくさんの人と出会うのが楽しい □ 様々な年代・職種の人と話すのが好き □ チームワークを活かした仕事が得意 □ 新しい人脈を作るのが上手 □ 大勢の中で働く方が活力が湧く □ 多職種連携に興味がある □ 人それぞれの個性を大切にしたい
個人歯科医院がおすすめ	総合病院、企業がおすすめ

歯科衛生士の仕事は「人と人との関わり」が中心です。患者さん一人ひとりとじっくり向き合い、長期的な信頼関係を築くことに喜びを感じる方もいれば、多くの人と関わりながら幅広い経験を積むことに魅力を感じる方もいます。

学生時代の実習や日常生活での人との関わり方を振り返ると、自分に合った働き方のヒントが見つかるはずです。どちらも歯科衛生士としての大切な素質です。

3. 「専門性の方向」技術 vs 幅広さ、どちらに魅力を感じる？

専門性を高めたい派	総合力を高めたい派
□ 歯科衛生士の専門技術を極めたい □ 最新の機器や治療法に興味がある □ 手技の向上にやりがいを感じる □ 認定歯科衛生士などの資格を取りたい □ 難しい症例にチャレンジしたい □ 学会や研修会に積極的に参加したい □ 「歯科衛生士のプロ」と呼ばれたい	□ 歯科以外の知識も身につけたい □ コミュニケーション能力を活かしたい □ 企画や運営に関わってみたい □ 教育や指導に興味がある □ 営業やプレゼンテーションが得意 □ マネジメント業務にも挑戦したい □ 多角的な視点で問題解決したい
専門クリニック、大学病院がおすすめ	企業、行政機関がおすすめ

歯科衛生士としてのキャリアを考える際、専門性を深めるか幅を広げるかは重要な選択です。技術特化派の方は、歯科衛生士としての専門技術を徹底的に磨き、その分野のエキスパートを目指します。

一方、総合力派の方は、歯科の知識をベースに企画力や教育力など、多角的なスキルを身につけたいと考えます。どちらの道も歯科衛生士としての価値を高める素晴らしい選択です。

4. 「ライフスタイル重視度」仕事中心 vs プライベート充実？

キャリア重視派	バランス派
□ 仕事での成長が人生の優先順位上位 □ 残業や休日出勤も成長のためなら厭わない □ 将来管理職や責任ある立場に就きたい □ 専門性を高めて業界で認められたい □ 昇進や昇格にやりがいを感じる □ 仕事関連の勉強会や研修が楽しい □ 「仕事が生きがい」と感じることがある	□ 家族や友人との時間を大切にしたい □ 趣味や習い事の時間を確保したい □ 残業は極力避けたい □ 有給休暇をしっかり取りたい □ 結婚・出産後も無理なく続けたい □ 定時で帰れる職場が理想 □ 仕事とプライベートは分けて考えたい
専門クリニック、大学病院がおすすめ	企業、行政機関がおすすめ

働き方の価値観は人それぞれです。キャリア重視の方は、仕事での成長や専門性の向上に情熱を注ぎ、将来的にリーダーシップを発揮したいと考えます。

一方、ワークライフバランス重視の方は、家族や趣味、プライベートの時間も大切にしながら、長く安定して働き続けたいと思っています。どちらも現代の働き方として重要で、自分らしいキャリアを築くための大切な指針となります。

5. 「やりがいの源泉」個人の笑顔 vs 社会への貢献？

個人貢献派	社会貢献派
□ 目の前の患者さんの笑顔が一番の喜び □ 「ありがとう」の言葉に心から感動する □ 一人ひとりの変化や成長を見守りたい □ 直接的なケアを通じて人に寄り添いたい □ 患者さんから信頼されることに価値を感じる □ 手紙やお礼の言葉をもらうと嬉しい □ 人の人生に深く関わる仕事がしたい	□ 地域全体の健康向上に関わりたい □ より多くの人々の役に立ちたい □ 予防の大切さを社会に広めたい □ 制度や仕組みづくりに興味がある □ 次世代の歯科衛生士を育てたい □ 統計や数値で成果を実感したい □ 社会問題の解決に貢献したい
歯科医院、クリニックがおすすめ	保健所、教育機関がおすすめ

歯科衛生士として何に最も喜びを感じるかは、就職先選びの重要な指針です。個人貢献派の方は、目の前の患者さん一人ひとりの笑顔や「ありがとう」の言葉に深いやりがいを感じ、直接的なケアを通じて人の人生に寄り添いたいと考えます。

一方、社会貢献派の方は、より多くの人々の健康や、地域全体の口腔保健レベル向上など、大きな視点での貢献に魅力を感じます。どちらも歯科衛生士だからこそ実現できる素晴らしいやりがいです。

【どんな働き方が良い？】勤務条件・環境で見る選び方の5つのポイント！

価値観が整理できたら、次は具体的な働く環境について考えてみましょう。どんなに理想的な仕事内容でも、勤務条件や職場環境が合わなければ長く続けることは難しいものです。

ここでは給与や休日、人間関係など、毎日の働きやすさに直結する5つのポイントをご紹介します。

1. 「勤務時間・休日」ライフスタイルに合う働き方かチェック！

どんな働き方が良い？

土日休み希望の特徴	平日休み歓迎の特徴
□ 家族や友人と休日を合わせたい □ 土日のイベントや習い事に参加したい □ 平日の人混みが苦手 □ 銀行や役所の手続きは平日に済ませたい □ 一般的な休日カレンダーに合わせたい	□ 平日の空いている時間を有効活用したい □ 旅行や外出は平日の方が安くて快適 □ 土日の混雑を避けたい □ フレキシブルな休日の取り方が好き □ 歯科業界の働き方に馴染みがある

勤務時間や休日は毎日の生活に直結する重要なポイントです。歯科医院では土曜診療が一般的なため平日が休みになることが多く、企業や公務員は土日休みが基本です。また、残業についても職場により大きく異なります。

個人医院は比較的定時で終わることが多い一方、病院では緊急対応により残業が発生することもあります。見学の際は、実際のスタッフの働き方や休憩の取り方を観察し、自分の理想とするライフスタイルと合致するかしっかり確認しましょう。

2. 「給与・待遇」将来の安心感につながる？

給与や待遇は生活の基盤となる大切な要素です。歯科衛生士の給与は地域差があり、都市部では25-30万円、地方では20-25万円程度が相場とされています。

基本給だけでなく、昇給制度や各種手当の有無も重要です。昇給が毎年確実にあるのか、評価制度はどうなっているのか、交通費や住宅手当などの福利厚生も含めて総合的に判断することが大切です。求人票の数字だけでなく、実際の支給例や長期勤続者の待遇も確認してみましょう。

3. 「職場の雰囲気・人間関係」毎日気持ち良く働けそう？

職場の人間関係は仕事のモチベーションや成長に大きく影響します。チームワークを重視する職場なのか、個人作業が中心なのか、また年齢層のバランスや教育体制の充実度も重要なポイントです。

新人への研修制度やフォロー体制が整っているか、勉強会や症例検討会が定期的に行われているかも確認しましょう。見学時にはスタッフ同士の自然な会話や笑顔、声かけの様子を観察することで、職場の雰囲気を肌で感じることができます。

4. 「成長・キャリアアップ」将来の可能性は広がる？

歯科衛生士として長期的にキャリアを築くためには、成長機会の有無が重要です。外部研修への参加支援や資格取得のバックアップ体制、学会参加の推奨など、スキルアップを応援してくれる環境かどうかを確認しましょう。

また、主任やリーダー、管理職への昇進ルートが明確になっているか、最新機器の導入や特殊治療への参加機会があるかも大切なポイントです。実際に5年目、10年目のスタッフがどのような役割を担っているかを質問することで、将来の可能性が見えてきます。

5. 「福利厚生・働きやすさ」長く安心して続けられる？

長期的に安心して働き続けるためには、福利厚生の充実度が重要です。健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険の社会保険完備は基本として、産休・育休制度や時短勤務制度、復職支援の有無も確認しましょう。

更衣室や休憩室、駐車場などの設備面や制服貸与なども働きやすさに直結します。特に女性が多い職場では、結婚や出産などのライフイベント後も続けているスタッフがいるかどうかが、その職場の働きやすさを示す重要な指標となります。

【知っておくと安心】歯科衛生士の資格を活かせるその他のお仕事！

歯科衛生士の資格は、従来の診療所勤務以外にも様々な形で活かすことができます。近年注目されているのが、フリーランスとしての働き方や在宅でできるお仕事です。

例えば、複数の歯科医院を掛け持ちする派遣型の働き方、企業向けの口腔ケアセミナー講師、歯科関連記事のライティング業務などがあります。また、オンラインでの口腔ケア指導や健康相談、歯科衛生士向けの教材作成なども可能です。これらの働き方は柔軟性が高く、子育て中の方や副業を考えている方にも人気が高まっています。

なぜ今、歯科衛生士の需要が高まっているの？

現在、歯科衛生士の需要が急速に高まっている背景には、社会全体の大きな変化があります。超高齢社会の進行により、介護施設や在宅での口腔ケアニーズが急増しており、従来の歯科診療所だけでは対応しきれない状況になっています。

また、「治療から予防へ」という医療の流れの中で、予防歯科の重要性が広く認知され、企業の健康経営や自治体の健康づくり事業でも歯科衛生士の専門性が求められています。厚生労働省のデータでも、診療所以外での就業者数が11％増加しており、この傾向は今後も続くと予想されます。つまり、歯科衛生士は将来性と安定性を兼ね備えた、非常に価値の高い職業なのです。

まとめ：歯科衛生士として、あなたらしい素敵なキャリアを歩んでいきましょう！

歯科衛生士として働ける場所は本当にたくさんあり、それぞれに魅力的な特徴があります。大切なのは、自分の価値観や理想とする働き方を明確にして、それに合った職場を見つけることです。

今回ご紹介したポイントを参考に、ぜひあなたらしい素敵なキャリアを築いてくださいね。どの道を選んでも、歯科衛生士としてのあなたの専門性は多くの人に必要とされています。自信を持って一歩を踏み出しましょう！