リモートでできる仕事が増えている今、歯科衛生士の働き方にも「在宅ワーク」という新たな選択肢があるのをご存知ですか?歯科衛生士の資格を活かせる在宅ワークは、自分のスキルが役に立つおすすめのお仕事。どんなジャンルの仕事があるのか、詳しくご紹介します!

d latte編集部 まり
歯科衛生士歴10年。審美歯科・ホワイトニング専門クリニックで美容面からの口腔ケアに携わる。患者さんの「美しい笑顔」を引き出すことにやりがいを感じている。SNSでの情報発信も行い、正しいセルフケア方法の普及に努める。プライベートでは趣味の写真撮影を通じて、笑顔の大切さを再認識している。
歯科衛生士の在宅ワークには大きく2つ!
歯科衛生士の方におすすめの在宅ワークには、「資格を活かす仕事」と「資格なしで取り組める仕事」の2種類があります。「資格を活かす仕事」は専門性が高く、本業としても成り立ちやすいのが特徴。一方の「資格なしで取り組める仕事」は、誰でも始められる手軽さが魅力です。具体的にどんなお仕事があるのか、詳しく見ていきましょう。
歯科衛生士の資格を活かす在宅ワーク
- 歯科コンテンツWEBライター・記事監修
- ブログによる情報発信
- インスタ用投稿制作
- SNS運用代行
- SNS運用コンサルティング
- 患者オンライン相談(ココナラ)
- 歯科イラスト制作 など
資格を活かす在宅ワークには、WEBコンテンツの記事作成や素材制作・SNSの運用関連・オンライン相談などがあります。
歯科関連のメディアやブログでは、専門家が執筆・監修した記事が歓迎されます。また、歯科医院のSNSは集客などを目的とした定期的な投稿を外部に委託するケースが多く、SNSの運用が得意な人に最適です。
一方、患者さんを対象としたオンライン相談は、特技を販売するスキルマーケットを利用すれば、自分で集客することが可能です。
資格関係なしで取り組める在宅ワーク
- WEBライター
- WEBクリエイティブ制作(バナー・アイキャッチ画像など)
- 動画編集
- フリマアプリ販売(メルカリなど)
- アンケートモニター・ポイントサイト(ポイ活など)
WEBコンテンツの記事作成・素材制作・編集作業などは、歯科関連のメディアに限らず、様々なジャンルのメディアで在宅ワーカーを募集しています。ただし、資格不要でできる仕事は応募者が多く、競争率が高いのがデメリットです。
一方、フリマアプリやポイントサイトでのお小遣い稼ぎは、すき間時間にすぐできる手軽さがあります。本業にするのはかなり難しいですが、在宅ワーク初心者に特におすすめです。
より良い単価や収入を得るなら歯科衛生士の資格を活かす在宅ワークがおすすめ!
報酬単価相場 | 内容 | |
---|---|---|
歯科コンテンツWEBライター | 1,500円~10,000円 | 歯科関連の情報サイト等に掲載する記事を執筆するお仕事 |
記事監修 | 5,000円~15,000円 | 資格を持たないライターが執筆した記事の内容をチェックするお仕事 |
ブログによる情報発信 | 2,000円~5,000円 | 歯科医院や企業などが運営するブログの記事を執筆するお仕事 |
インスタ用投稿制作 | 500円~2,500円 | 宣伝や集客などを目的とした投稿を定期的に制作するお仕事 |
SNS運用代行&コンサルティング | 1,000円~200,000円 | SNSのアカウント管理や投稿、戦略アドバイスやデータ分析などをするお仕事 |
患者オンライン相談(ココナラなど) | 1,000円~4,000円 | 歯に関する悩み・相談に個別に応えるお仕事 |
歯科イラスト制作 | 3,000円~20,000円 | 歯科医院のHPや歯科コンテンツなどに使用するイラストを制作するお仕事 |
レセプト点検アドバイザー | 20,000円〜200,000円 | 保険のルールに則って適正に診療報酬として請求が行えているかをチェックするお仕事 |
在宅ワークは出来高制の案件が一般的で、単価の相場は数百円から数十万円までとかなりの幅があります。歯科衛生士の資格を持つ在宅ワーカーは、無資格の在宅ワーカーよりも単価が高めに設定されていることが多く、有資格者しか受注できない案件もあります。ここからは、詳しい仕事内容について解説しましょう。
1. 歯科コンテンツWEBライター
歯科コンテンツには、一般の患者さん向けの情報サイト・歯科業界向けの情報サイト・歯科医院のホームページなどがあります。これらのコンテンツに掲載する記事やコラムはWEBライターに委託されるケースが多く、歯科衛生士の資格を持つライターは特に優遇されます。
資格保有者のライターの平均文字単価は1~2円、あるいはそれ以上になることもあり、文字数は案件によって数百文字から数千文字と様々です。
2. 記事監修
記事監修はライターとは異なり、他のライターが執筆した記事の内容に間違いがないか、チェックするお仕事です。歯科衛生士が監修することで「記事の信頼性が増す」という大きなメリットがあり、コンテンツによっては監修者が写真付きで紹介されるケースもあります。
記事監修は執筆が苦手な人でも取り組めるお仕事で、ライターよりも単価が高い案件が多いのが魅力です。ただし、監修した記事の内容に誤りがあった場合は、大きな問題に発展する恐れもあるため、慎重に取り組む必要があります。
3. ブログ・SNSによる情報発信
歯科医院や歯科関連企業などが運営するブログやSNSは、専門のライターが執筆を担当している場合があります。基本的にはコンテンツのWEBライターとあまり変わりませんが、作業が簡単だったり、文字数が少なかったりすると、コンテンツの記事作成よりも単価が低くなる可能性があります。
しかし、ブログやSNSは定期的な投稿が必要とされるため、単価が低くても継続的にお仕事をもらえるというメリットがあります。
4. インスタ用投稿制作
インスタはビジュアルで目を引く効果が非常に高いため、各企業やメディア、歯科医院などで宣伝用として積極的に活用されています。しかし一方で、本業に追われて更新が滞ってしまうことも多く、在宅ワーカーに投稿を依頼するケースがあるのです。
インスタ投稿の在宅ワークは、テーマ・投稿数・写真の枚数などが決められていることが大半ですが、インスタの使い方に慣れている人にとっては、気軽に取り組めるのが大きな魅力です。
5. SNS運用代行
SNS運用代行は、投稿制作はもちろん、DMやリプライの対応など、アカウント全体の管理を担うお仕事です。案件によってはアカウントの初期設定から行う場合もあります。
SNS運用代行の在宅ワークは、報酬の設定の仕方が案件によって異なります。多いのは月額で報酬が支払われるケースと、1つの作業ごとに単価が決まっているケースです。また、SNSを通じてクライアントのサイトに登録する人があった際などに、追加で報酬が発生するケースもあります。
6. SNS運用コンサルティング
SNS運用コンサルティングは、運用代行に加えて戦略アドバイスやデータ分析なども行うお仕事です。クライアントは集客率や売り上げの増加などを目的とするため、SNSマーケティングの知識がある人が必要とされます。
ただし、歯科衛生士のように資格保有者としてのスキルが重視される場合は、マーケティングの知識がなくても採用されることもあります。また、自身のSNSにたくさんのフォロワーがいる人は、コンサルタントとしての強みになります。
7. 患者オンライン相談(ココナラ)
「ココナラ」などのスキルマーケットに登録すると、在宅で患者さんのオンライン相談に乗ることができます。料金は自由に設定できますが、相場は1件の相談につき1,000円程度、電話の相談の場合は通話1分ごとに100~140円くらいです。
歯の悩み全般に答えることはもちろん、矯正やホワイトニングなど、得意分野に特化したオンライン相談も需要があります。また、患者さんを対象とする人だけでなく、歯科衛生士の悩み相談に答える人もいます。
8. 歯科イラスト制作
イラスト制作は一般の在宅ワーカーでもできるお仕事ですが、歯科医院のホームページや歯科コンテンツなどに使用するイラストは、歯科衛生士が描く方が具体的で分かりやすいイラストに仕上がります。
イラスト制作はデータで提出する案件がほとんどなので、パソコン・ペンタブレット・ペイントソフトなどの基本的な機材やソフトが必要です。クラウドソーシングやスキルマーケットで仕事を受注する場合は、サンプル用のイラストを掲載しておくと受注率がアップします。
9. レセプト点検アドバイザー
レセプト点検とは、毎月、歯科医師、歯科衛生士が行った診療内容が、保険のルールに則って適正に診療報酬として請求が行えているかをチェックするお仕事です。
レセプト点検だけでなく医院の状況を踏まえて、その医院にとってよりメリットのある改善策を、総合的にアドバイスすることができる専門職を、「レセプト点検アドバイザー」と言います。
在宅ワークをする上で学んでおくと良いスキルと知識!
1. ビジネスマナーとコミュニケーション力
在宅ワークはほとんどの場合、クライアントとリモートでやり取りします。メールやチャットを利用する場合はお互いの顔も見えないため、対面の時よりもマナーやコミュニケーション力が必要です。基本的な言葉遣いはもちろん、こまめな業務連絡や迅速な返信を心がけましょう。
一方、オンライン会議に参加する場合は、時間に余裕を持って準備することが大切です。通信状態や音声に問題がないかチェックし、身だしなみや背景に映り込む物などにも注意しましょう。
2. 納期に対する意識
在宅ワークに限ったことではありませんが、仕事の納期はきちんと守ることが大前提です。やりきれないほどの仕事を抱え込まないよう、スケジュール管理もしっかり行いましょう。
どうしても間に合いそうにない場合は、日程をずらしてもらえるか早めに相談しましょう。連絡なしで納期が遅れるのは、完全にアウトです。クライアントからの信頼を失い、場合によっては契約を打ち切られてしまう可能性もあります。
3. 基本的なPC操作スキル
在宅ワークはオンラインで行う作業が非常に多いため、基本的なパソコン操作ができることは必要不可欠です。メールはスマホでしか使わないという人も、パソコンで送受信できるようにしておきましょう。
一方、仕事の作業に必要なスキルは、案件の種類によって異なります。例えば、ライターならWordやWordPressなどの操作、イラスト制作ならペンタブレットやペイントソフトなどを扱えると、採用されやすくなります。
4. SNSの運用スキル
日本で利用者が多いSNSは、主にInstagram・X (旧Twitter)・Facebook・YouTube・Tik Tokなどです。SNSの投稿制作や運用代行は、これらのSNSの扱いに慣れていることが肝心です。特に自身のSNSにフォロワーが大勢いる人は、採用時に優遇される傾向にあります。
また、パソコンを使った画像や動画編集、ユーザーの投稿を収集・分析するマーケティングなどの知識があると、より戦略的なSNS運用が可能です。
5. Canvaなどを利用したデザインスキル
SNSの投稿・コンテンツの画像制作・企画書の作成などのお仕事は、パソコンを使ったデザインスキルがあると役立ちます。特に初心者に人気なのは、無料のデザインツール「Canva」です。在宅ワークの案件の中には「Canvaの使用OK」という条件のお仕事もあります。
Canvaは基本的に無料で利用できるのが大きな魅力ですが、デザインの在宅ワークに本格的に取り組むなら、有料プランに移行して機能性をアップさせるとよいでしょう。
6. 税務の知識
在宅ワークで一定以上の収入がある人は、確定申告が必要です。専業の在宅ワーカーの場合は「年間の所得が48万円以上の人」、副業の在宅ワーカーの場合は「年間の雑所得(給与以外の所得)が20万円以上の人」です。
ちなみに、歯科医院のパート勤務と在宅ワークを掛け持ちしている人も、在宅ワークの所得が年間20万円以上になる場合は確定申告が必要です。また、雇用形態によって社会保険の種類や納付方法なども異なるため、お金に関する基本的な知識はとても大切です。
在宅ワークを探す方法3選!まずはクラウドソーシングサービスがおすすめ!
クラウドソーシングは「インターネットを介して、仕事の発注や受注を行う業務形態」のこと。そして、その発注や受注をサイト上でスムーズに行えるのが「クラウドソーシングサービス」です。
募集される案件のほとんどは在宅でできる仕事で、ライティング・デザイン・SNS運用・コンサルティングなど、ジャンルは様々。完了した仕事はクライアントから評価されるシステムで、実績としてプロフィール欄に掲載されます。
1. ココナラ
自分のスキルを提供したい人と、特定のスキルを持つ人に仕事を依頼したい人とをつなぐスキルマーケット。出品者は提供するサービス内容や希望価格などを公開し、メッセージ・電話・ビデオチャットなどを利用してクライアントとやりとりします。また、購入者が募集する案件も随時公開されています。
歯科衛生士向けの募集案件には、歯科医院のHP制作・SNS運用代行・チラシやパンフレット制作・歯科コンテンツの記事作成などがあります。
2. ランサーズ
常時10,000件以上もの募集案件を公開するクラウドソーシングサービス。受注者はランサーと呼ばれ、実績に応じてランク付けされます。
ランサーは受注したい案件を選び、実績・経歴・納期・希望金額などを自由にアピール。クライアントは応募者のPRやプロフィールなどを比較し、発注したいランサーを選ぶシステムです。
歯科衛生士向けの案件には、歯科コンテンツの記事作成やデザイン・歯科医院のSNS運用代行やチラシ制作・歯科衛生士限定のアンケートなどがあります。
3. クラウドワークス
100万社以上の企業が仕事を発注しているクラウドソーシングサービス。悪質案件の監視や適正報酬での取引促進などに取り組み、ユーザーが安心して受注できる環境が整っています。また、一定の基準を満たした受注者はプロクラウドワーカーに認定され、さらに好条件の案件を受注できる確率が高くなります。
歯科衛生士向けの案件には、歯科衛生士限定のアンケートやインタビュー・歯科ツールの監修・歯科コンテンツの記事作成やSNS運用代行などがあります。
歯科衛生士が在宅ワークをする際に知っておきたい注意点!
クラウドソーシングサービスを利用すれば、誰でも簡単に在宅ワークを始めることが可能です。しかし、そんな手軽さゆえに、思わぬ失敗やトラブルが生じるケースもあります。
特に避けたいのは「無計画なまま始めてしまうこと」。そこでここからは、歯科衛生士が在宅ワークをする上で注意すべき点について解説しましょう。
副業として行う場合は勤務先が副業OKか確認をする
正社員の人が副業として在宅ワークをする場合は、勤務先が副業を許可しているかどうかの確認が必要です。副業に関するルールは就業規則に記載されていますが、就業規則がない職場でも許可を得てから始めることが肝心です。
パートなどで働く非常勤の歯科衛生士は、副業が許可されている場合がほとんどです。ただし、副業の条件が決まっている職場もあるので、事前に確認しておきましょう。一方、行政機関や公立病院などで働く公務員の歯科衛生士は、副業が禁止されているのが一般的です。
納期があるものは生活リズムやスケジュールに気をつける
在宅ワークの納期は案件によって様々です。中には「大体1ヶ月くらい」といったアバウトなケースもありますが、具体的な日付が決まっている場合は、作業のスケジュール管理が重要です。
特に副業として行う人や、家事や育児の合い間に行う人は、1日のスケジュールの中に仕事をする時間をうまく組み込むようにしましょう。ただし、在宅ワークは家族の都合などで予定通りに進まないこともあるため、スケジュールに余裕を持つことが大切です。
未経験の仕事は慣れや経験が必要になる
在宅ワークには「未経験でもOK」という案件が多くあります。大半はクライアントがマニュアルを用意していたり、具体的な指示を出してくれたりするので安心ですが、作業に慣れるまではどうしても時間がかかってしまうものです。
そのため、人によっては「思っていたより面倒…」と感じたり、「予定通りに進まない!」と焦ってしまうかもしれません。しかし、未経験の仕事にチャレンジすれば、在宅ワーカーとしての実績が上がります。コツコツ続けることがメリットになると考えて、前向きに頑張りましょう。
収入が増えた場合は税務面の手続きなどに注意する
在宅ワークで一定以上の収入がある人は、確定申告が必要です。対象となるのは、本業として在宅ワークをしていて所得が48万円を超える人や、副業として在宅ワークをしていて雑所得(給与以外の所得)が20万円を超える人です。
一方、確定申告が不要な人でも、在宅ワークの報酬から源泉所得税を引かれている場合は、確定申告をすることで還付金を受け取れる可能性があります。分からないことは税務署で相談できるので、確定申告の提出期限ギリギリにあわてないよう、早めに準備しておきましょう。
在宅ワークといえビジネスであることを忘れない
初心者向けの在宅ワークは単価が安い案件が多いため、お小遣い稼ぎのような感覚で始める人が多いかもしれません。しかし、低単価の案件でもビジネスであることに変わりはありません。真面目に作業する・連絡や報告を怠らない・納期を厳守するなど、基本的なルールやマナーをきちんと守りましょう。
特にクラウドソーシングサービスを利用する場合は、受注した案件にクライアントからの評価が付きます。手を抜くと低評価を付けられることになり、在宅ワーカーとしての信頼が失われてしまうので注意しましょう。
まとめ
副業を始めてみたい人や、違う働き方を模索したい人などにおすすめの「在宅ワーク」。歯科衛生士だからこそできるお仕事もいろいろあり、新たなスキルを磨くチャンスになります。未経験の仕事にチャレンジするのは勇気がいるかもしれませんが、大切なのは「コツコツ頑張ること」。一つ一つの仕事を丁寧にこなして、在宅ワーカーとしてのキャリアを広げていきましょう!