仕事のモチベーションを大きく左右するボーナス(賞与)。でも、「給料の何ヶ月分くらいもらえるの?」、「相場はいくら?」など、分からないことも多いですよね。
歯科衛生士は個人経営の歯科医院に勤務する人が多いため、ボーナスの支給額にも差があります。「うちの職場は少ないかも…」と感じている人は、ぜひボーナスの平均額をチェックしてみましょう!

d latte編集部 なな
歯科衛生士歴13年。卒業後すぐに地域密着型の歯科医院に就職し、地域住民の口腔健康を支えている。幅広い年代の患者さんと接する中で、ライフステージに応じた口腔ケアの重要性を実感。フレッシュな視点から現場の等身大の声を発信し、新人歯科衛生士や学生に向けたエールも送っている。
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歯科衛生士のボーナスは何ヶ月分くらい?
- 平均で給料の1.4~2.5ヶ月分くらい!
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」を参考に算出した結果、歯科衛生士のボーナスは平均で給料の1.4~2.5ヶ月分くらい支給されていることが分かりました。
ボーナスの支給額は、勤続年数や役職などによって計算方法が異なるのが一般的です。そのため、キャリアを積むほどボーナスが上がり、必然的に年収も増えていく仕組みになっています。
ここからは、そんな歯科衛生士のボーナスについて詳しく見ていきましょう。

長く勤めるほど評価される仕組みは嬉しい反面、今の職場でキャリアを積むべきか転職すべきか、悩ましい選択になることもあるものです。
歯科衛生士のボーナスの平均金額
平均月収 | 29万7,600円 |
平均ボーナス | 48万4,400円 |
歯科衛生士のボーナスの平均金額は約48万円です。平均月収は約30万円で、上記の金額を基に計算すると、ボーナスは月収の約1.6ヶ月分ということになります。
ちなみに、歯科衛生士の平均年齢は35.9歳、平均勤続年数は6.1年となっています。これよりも若い人や勤続年数が短い人は、ボーナスの金額も平均を下回る可能性があると言えます。
新卒の歯科衛生士のボーナスは少ない?
平均月収 | 25万5,000円 |
平均ボーナス | 3万8,500円 |
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、勤続年数0年の歯科衛生士の平均ボーナスは約4万円でした。
「それしかもらえないの!?」と驚く方も多いかもしれませんが、ボーナスの支給が年2回の場合、新卒の歯科衛生士は夏のボーナスは支給なしのことが多く、冬のボーナスも数万円程度というケースが珍しくありません。
しかし、1年目以降はボーナスがきちんと支給されるのが一般的です。そこで、次の項目では勤続年数別の平均ボーナスについて見ていきましょう。

新卒の頃は現実とのギャップに戸惑うこともありますが、これから積み重ねていく経験がしっかり評価されていくと思えば、前向きに捉えられますね。
【勤続年数別】歯科衛生士のボーナスの平均金額
勤続年数 | 平均月収 | 平均ボーナス |
0年 | 25万5,000円 | 3万8,500円 |
1~4年 | 27万9,800円 | 45万7,100円 |
5~9年 | 29万4,700円 | 39万8,000円 |
10~14年 | 29万2,400円 | 53万8,000円 |
15年以上 | 29万1,600円 | 65万9,600円 |
歯科衛生士のボーナスを勤続年数別に比較すると、勤続1~4年目が約46万円なのに対し、勤続15年以上は約66万円と約20万円アップしています。
一方、今回の調査でボーナスの平均金額が最も低かったのが、勤続5~9年目の歯科衛生士でした。しかし、過去のデータと比較すると、令和5年の勤続5~9年目の歯科衛生士の平均ボーナスは約46万円、令和4年は約42万円となっており、勤続1~4年目の平均ボーナスより高い結果となっています。
令和6年の調査で勤続5~9年目の歯科衛生士の平均ボーナスが減少した理由は不明ですが、一般的には勤続年数が上がればボーナスの金額も上がると考えてよいでしょう。
【年齢別】歯科衛生士のボーナスの平均金額
年齢 | 平均月収 | 平均ボーナス |
20~24歳 | 27万2,700円 | 39万8,900円 |
25~29歳 | 29万2,800円 | 39万2,000円 |
30~34歳 | 32万300円 | 44万4,100円 |
35~39歳 | 28万3,600円 | 48万6,200円 |
40~44歳 | 27万9,700円 | 59万8,200円 |
45~49歳 | 30万1,100円 | 80万3,400円 |
50~54歳 | 27万8,900円 | 59万3,300円 |
55~59歳 | 28万4,700円 | 56万2,700円 |
60~64歳 | 22万9,100円 | 25万3,600円 |
65~69歳 | 28万6,400円 | 53万4,300円 |
歯科衛生士のボーナスの相場を年齢別に比較すると、勤続年数別に比較した結果とは異なり、年齢が上がればボーナスも上がるわけではないということが分かりました。
ボーナスの支給額が最も高いのは、40代後半で約80万円です。この年代は職場のまとめ役や指導役に抜擢されたり、子育てを終えて本格的に復帰する人が多いことが理由としてあるのかもしれません。
一方、他の年代と比べてボーナスの支給額が一気に下がるのが、60代前半です。この年代は定年退職を迎える人が多く、一部の人は短時間勤務に移行する傾向にあります。そのため、月収もボーナスも減少する可能性があると考えられます。
ちなみに、60代後半になると歯科衛生士の人数自体が大幅に減ります。しかし、スキルが高い人は引き続き活躍し、一定の収入を得ているのだと言えるでしょう。

40代後半がピークというのは、経験と責任が評価される時期だからこそ。ライフステージの変化に合わせてキャリアも変わっていくのが現実ですね。

パートやアルバイトはボーナスをもらえない?
勤務先によっては寸志が支給されることがある!
一般的にパートやアルバイトにボーナスが支給されることはほとんどありません。しかし、勤務先の方針によっては寸志が支給されることがあります。
寸志とは「ほんの少しの贈り物」という意味の言葉です。ボーナスの代わりとして寸志が支給される場合は、5万円以下くらいの金額となるのが大半です。
短時間勤務の歯科衛生士の平均ボーナス
平均時給 | 1,970円 |
平均月収 | 11万8,200円 |
平均ボーナス | 4万5,600円 |
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、短時間勤務の歯科衛生士の平均ボーナスは約4万6千円となっています。つまり、勤務先でボーナスとして寸志が支給されている人が多いということになります。
ちなみに、企業規模別で比較すると、従業員数100~999人の職場で働いている短時間勤務の歯科衛生士は、平均ボーナスが6万9,300円とやや高いことが分かりました。
正社員のようにボーナスが支給されることはなくても、規模の大きい勤務先の方が寸志の額も多いと言えるのでしょう。
勤務先のボーナスについて知りたい!そんな時は?
- 就業規則を確認する
- 求人票を見る
ボーナス(賞与)の支給は法的に義務付けられたものではありません。そのため、ボーナスを支給するかどうか、いつ・いくらくらい支給するかといったことは、勤務先が自由に決めます。
ボーナスについて知りたい時は、就業規則や求人票を確認してみましょう。それぞれのチェックポイントについて解説します。
1. 就業規則を見る
勤務先のボーナスがどのように支給されるか分からない時は、まず就業規則を確認しましょう。ボーナスが支給される場合は、主に以下のような記載があるはずです。
・支給対象者
正社員にのみ支給するか、あるいはパート・アルバイトなどにも支給するか
・支給時期
ボーナスが支給される月
・金額の決め方
ボーナスの金額を決める基準や計算方法など
他にも、休職中の従業員に対するボーナスのルール、支給日前に退職した場合のボーナスの有無など、細かい規定が記載されている場合があります。産休・育休を控えている時や、転職を考えている時などにも、一度確認してみるとよいでしょう。
2. 求人票を見る
就職や転職の活動中は、求人票を確認しましょう。ボーナスが支給される場合は、「賞与あり」と記載があるのが一般的です。あるいは、求人サイトの検索条件から「賞与あり」を選択して、検索結果を絞り込むのもよいでしょう。
求人票の賞与に関する説明は、応募先によってそれぞれ異なります。よくあるのは、以下のような内容です。
・支給回数や時期
「年2回」「夏と冬」「入職後半年経過してから」など、ボーナスが支給される回数や時期
・金額の目安
「月給×2ヶ月分」など、大まかな金額の目安
・備考など
「支給は業績による」「実績により変動」などの補足情報
求人票に賞与に関する記載がない場合は、ボーナスが支給されない可能性もあります。必ず応募する前に確認しておきましょう。

求人票の「賞与あり」という言葉に安心しがちですが、実際の支給条件や金額は入職後に「こんなはずじゃ…」とならないよう確認が必要です。
ボーナスはいつもらえる?
民間企業の一例 | ||
ボーナスの種類 | 支給時期 | 査定期間 |
夏のボーナス | 7月 | 前年10~3月 |
冬のボーナス | 12月 | 4~9月 |
民間企業の場合、ボーナスは年2回支給されることが多く、夏のボーナスは7月・冬のボーナスは12月を支給時期とするケースが大半です。
そして、ボーナスの支給額を決める際は、一定の期間を対象として従業員の働きぶりなどを評価します。この対象期間となるのが、査定期間と呼ばれる期間です。
例えば、夏のボーナスが7月に支給される場合、査定期間は前年の10月から翌年の3月とするのが一般的です。ボーナスの支給額は、この10月から3月の間の従業員の働きぶりなどを評価して決められます。
新卒のボーナスはいつからもらえる?
年2回のボーナスなら、冬のボーナスからもらえる!
新卒の歯科衛生士は4月からの勤務になるため、夏のボーナスの査定期間である前年10月からその年の3月にはまだ在職していません。そのため、夏のボーナスは支給されず、冬のボーナスから支給されるのが一般的です。
ただし、新卒の歯科衛生士のボーナスは平均約4万円と少ないのが現状です。期待し過ぎるとがっかりしてしまうかもしれませんが、翌年からはボーナスの平均金額が一気に上がるので、それを励みに頑張りましょう。
転職後のボーナスはいつからもらえる?
在職期間によるが、転職1年目からもらえる!
転職の場合も、ボーナスの支給時期や査定期間の考え方は新卒と同じです。例えば、4月から新しい勤務先で働き始めた人は夏のボーナスはなく、4月から9月の査定期間を経て、冬のボーナスから受け取れることになります。
一方、1月から働き始めた場合は、夏のボーナスの査定期間である10月から3月の途中から在職していることになります。そのため、査定対象となるのは1月から3月までで、減額された夏のボーナスが支給されるのが一般的です。
ただし、ボーナスの支給が年1回の場合は、査定期間を1月から12月とするのが基本です。そのため、1月から勤務している人は満額を受け取れますが、4月から勤務している人は1月から3月分を減額したボーナスが支給されることになります。

転職直後はボーナスが少なくてもどかしいですが、新しい環境で信頼を築いていく過程だと思えば、次の支給が楽しみになってきますね。
産休・育休中のボーナスについて
産休前の分はもらえるが、産休・育休中は減額あるいは支給されないことが多い!
ボーナスの支給時期に産休・育休中であっても、産休前に働いた分のボーナスはもちろん受け取れます。
例えば、ボーナスが年2回支給される職場で11月から産休に入った場合、冬のボーナスの査定期間である4月から9月は在職しているため、満額でボーナスが支給されます。
一方、査定期間の途中にあたる6月から産休に入った場合、夏のボーナスは満額で支給されますが、冬のボーナスは4月と5月のみが査定対象となるため、減額されるのが一般的です。
また、就業規則においてボーナスを支給する対象者を「査定期間中に〇日以上出勤した者」などと規定している場合、産休や育休で出勤日数が満たなければ、ボーナスは支給されません。
年俸制ならボーナスの支給はなし
ボーナスを含めた給与を毎月支払う制度のこと
勤務先の給与形態が年俸制の場合、ボーナスの支給そのものがありません。そう聞くと損しているように感じられるかもしれませんが、年俸制の場合はボーナスがすでに含まれているのが一般的です。
年俸制とは、ボーナスを含めた1年分の給与を12等分して毎月支払う制度です。ボーナスを含む分だけ毎月の手取り額がアップし、業績などに左右されずに安定した金額が支給されるというメリットがあります。
一方で、まとまったボーナスを受け取るつもりで大きな買い物などをすると、支払いの計画が狂ってしまう恐れがあります。必ず就業規則を確認して、給与形態が月給制か年俸制のどちらか把握しておきましょう。
まとめ
ボーナスは仕事のモチベーションが上がる大切な要素の一つ。正社員の歯科衛生士の場合は年に1~2回支給されることが多く、パート勤務の人でも寸志を受け取れる場合があります。
一方で、新卒はボーナスが少ないといった特徴もあるため、大まかな相場を知っておくといろいろと役に立つはずです。就職や転職を考えている方も、ぜひ参考にしてくださいね!